インターネット

開発途上国と言いましたが、私は西アフリカの内陸国マリにしか住んだことがありませんので、あくまで彼の地における経験(現在進行中ですが)を基にひとつの所得向上のためのアイディアを提案したいと思います。

私は現在PCインストラクターという職業で協力隊として派遣されておりますが、この仕事における究極的な使命は、派遣国におけるITリテラシー(情報技術に関する理解度)の向上だと考えております。しかし現実には、配属先として職業訓練校(高校生や大学生に相当)において、教職員を中心にワードやエクセルなどのオフィス製品の使い方、それも初歩の初歩を教えている、そのためのマニュアルを提供しているといった活動を行っております。従って、マリという国全体に対するITリテラシー向上のホンの入り口の一部分をお手伝いしているに過ぎないのです。

さて、開発途上国共通の問題として、富の偏り(直接的に言うと貧富の差)が顕著であり、それにあわせて人間開発(主に教育)にも非常な格差が生じているということがあります。私はこの教育格差に関しては、ITの力で幾分か改善できる余地があるのではないか、と信じています。


それはインターネットを活用すること。

何もそんな当たり前のことを強調して書かなくてもいいのでは、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、意外と重要なことなのです。
昔はラジオ、TVで新しい知識が入ってきた。それが今度はインターネットに変わる。

そう、アフリカの内陸国においてもインターネットはそこそこの速度で利用できるのです。(ISDN<アフリカ<ADSLくらいのスピードでしょうか)
インターネットのボーダーレスな情報に触れることは、飛躍的に知識の収集が進むことになり、それに伴い個々の人間開発の自発的な発展へと繋がっていくのではないか、と考えられます。TVやラジオと違い、自分で情報を取捨選択することが出来、欲すれば相当のレベルの専門知識まで習得できてしまうのです。

ある人が言いました。

この国には途中・経過が無い。バイクや車も、電子機器も、色々な物が自分たちで作るではなく、完成した形で、その仕組みもよく理解できない状態で入ってきたんだ。

自分たちで作り上げた文明ではないので、ただ入ってきたそれらを消費することしか出来ない。新たに生み出したり、改善したりといった付加価値を付与することは、想像だにしないことである、という事なんです。だからその途中経過を何とかして埋めなくてはいけない。それがインターネットによって(低コストで)可能になる。

このような開発途上国においてもPCの普及は進んでおり、オフィスにはほぼ必ず、ネットカフェは其処かしこ至る所に、個人宅でも徐々に、普及が進んでいます。(PCの普及にあわせて、ネットの契約が爆発的に増えているようで、近頃ではオフィスタイムになると回線がパンクしたりします)
PCを買うお金が無い庶民でも、ネットカフェでなぜかFacebookをやっているのです。。。もったいない事に。

そう、もったいないんです。ネットの使い方としてFacebookばっかりをやっているのは。
ある日本に住んでいるマリ人はこういいました。

携帯もネットも、高すぎる。どちらもフランスの会社に搾取されているだけだ。

そのとおりだと思います。それならネットを利用して、いっそのこと稼いでやればよいのではないでしょうか?

インターネットを活用してその中だけでお金を稼ぐ、という発想は大分昔からあったことだと思います。すでにいろいろなモデルも提示されています。地理的な不利が無くなり、途上国であることがメリットとなる。通貨価値が違うんですね。セーファー(cfa)の国でユーロ(eur)を稼ぐ。これは非常に大きなメリットとなります。

インターネットを使うのに、1時間300cfaくらい。それは固定相場で0.5eur(≒50円)ほど。
たとえば時給5eur(≒500円)の仕事をすれば、利益は4.5eurという事は2700cfa。

単純計算で月200時間の労働で54万cfa。この国では月5万cfaで働いているヒトがたくさんいることを考えると、、、
(※インターネット利用環境や月の収入、生活にかかるコストなどは都市部でイメージしています)

今、自分で計算して驚きました。大金持ちですね(^^ゞ

余計なことばかり書いて、肝心の方法論まで至っていませんね。
文章が長くなってしまいましたので、具体的なアクションプランはこの次に示すことにします。

机上の空論だけではありませんよ。
きちんと上記を実現できる方法はあるのです。

でわ。