と、言うことで前回からの続き、開発途上国における所得向上のアイディア、具体的アクションプラン編です。
前回はインターネットを使って時給500円の仕事が出来れば、この開発途上国においては大金持ち(とまでは行きませんね。実際は小金持ちです)に成れる、というところまで行きました。
その方法とは、
マーケットプレイス、というネット上でのお仕事情報交換サイトを利用するのです。
簡単で当たり前すぎる答えですね。
日本でもネットバブルがもてはやされた10年ちょっと前から、楽天ビジネスなどビジネスマッチングサイトがありました。
もはやフリーランスやSOHO、小規模事業体にとっては当たり前のサービスとなっている感もあります。が、国や言語が違えば常識が変わる、という事で開発途上国から国を超えてこういったサイトを利用してお金を稼ぐという発想はなかなか出てきません。しかも、途上国側からすればそんなことが出来る、という情報もありませんし想像も出来ないものなのです。
で、具体的には下記のサービスを利用するのです。
Freelancer.com(英語)
http://www.freelancer.com/
Freelance.com(仏語・英語)
http://www.freelance.com/
他にもamazonのサービスとかたくさんあると思いますが、とりあえずよさそうなモノを代表に二つ、上げてみました。開発途上国の多いアフリカ、そのほとんどの国では英語もしくはフランス語が通じますので、だいたい使えるのではないかと思っています。
これらのサイトには文字起こし、記事作成、Webリサーチ、画像編集、翻訳などの比較的簡易な労働も多く登録されています。もちろん個々の技能や速度によっても稼ぎは当然変わってきますが、途上国での稼ぎとして考えると、十分生活に足るレベルが稼げると思います。
他にもプログラミングやらweb制作、システム構築、情報提供など、多種多様な仕事が登録されています。これらはPCを学びながら徐々に高収入な仕事にシフトすることも可能だということを示しています。
私が実際にこの途上国で仕事をしていて感じることは、PCやネットというのは、完全に個の意欲次第で自由にその能力を伸ばすことができる、要するにそれだけデキる技術者が途上国にもいる、ということです。
学ぶことや労働の条件としてはまったく先進諸国と変わることがない対等な立場でありながら、その対価としての賃金は生活コストから考えると割の良い仕事となる、ということにただ気づくだけのことが、実はこの国で所得を向上させる一番重要なことだったのかもしれません。
もっとも、必ず必要となるものとしてネット回線と国際送金可能な銀行口座、電気とパソコンと最低限の知識と技術があります。電気(とその安定)はインフラの問題として国の政策などにも大いに影響されますし、ネット回線と国際送金可能な銀行口座は一般的な市民としてはまだまだ敷居が高いのかもしれませんが。
ということで、これらのサービスをただ紹介するだけでは、労働意欲の低い人々に動機付けできるかどうか、おそらく難しいように感じます。
そこで途上国援助系のNGOや企業がこの取りまとめを行なうといいのでは、と言うことまで提案しておきます。(人任せな提案ではありますが)
視点を変えればこれは、一種のフェアトレード、労働のフェアトレードと言う考え方ができるかもしれませんね。
ちなみに途上国には世界中の先進各国からさまざまな支援・援助物資が届きます。しかし、これらはごく限られた一部の富裕層・既得権益層が各自の利益として転売したり横領したりして、一般の市民にはほとんどそのメリットは享受されません。
生活者の一人として、これらの実態や援助「ビジネス」と言われるものに負のイメージを持たざるを得ないのも悲しい現実ですが、だからこそこういった正しく個人が稼げるモデルと言うものをキチンと途上国の市民にダイレクトに提案していきたい、と考えています。
そう、もし本気で開発途上国を底上げしたいのであれば、ベトナムのことわざだか中国の故事だかと言われている言葉、
魚を与えるのではなく釣り方を教えろ
を忘れてはならないのだと思います。この言葉は使い古されていていまさら感はありますが。
でわ。
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