近いんです!!

車とヒトとの距離が。
というよりも、車の車間距離というか、車と車の間隔も、車とバイクであっても、とーっても近いんです。
本当に、5ー10cm(むしろぶつかってる)という超至近距離に存在します。路上にいる二者が。

ソトラマ(前述)からよくはみ出している、車掌のお兄さん(プロンディケと呼ばれる)はソトラマが走り出してから、車に飛び乗ります。
そしてソトラマは市場の非常に狭く、密集した場所に停まるのでソトラマ同士のすれ違いは、本当にスレスレなんです。
すれ違いながら、プロンディケはうまく避けて飛び乗ります。
(一瞬の判断ミスで、ミンチになることは間違いありません(-_-;))

バイクもたくさん走っていますが、こちら、免許も車検も(本当はあるかも知れませんが、)そんなもの存在しないように、縦横無尽に走り回り、道なき道を乗り越えていきます。故障したものもボロボロなまま走り続けます。
当然歩道でも通ります。やっぱり、近いんです。バイクとヒトとの距離が。


何を隠そう、この国は乗り物が優先のようなのです。

日本人としては考えられませんが、道路のアスファルトの上にいる場合、人様が遠慮をして、周囲を常に伺っていなければなりません。
なぜなら、優先的に我が物顔で乗り物が通りますし、当たり前のようにクラクションを鳴らすし、歩行者に怒るからです。

更にここでは、伝統的に挨拶が非常に重要かつ長い、という文化があります。
これは非常に怖いです。
バイクに乗っているヒトが、走りながら道端のヒトに大声で挨拶をします。
当然、バイクは早いので走り去ります。その結果、後ろを向きながら挨拶を続けて走り続ける(!?)のです。

当然事故もたくさんあります。
(私もすでに二度、軽い事故に遭遇しています。一度はバイクが手にぶつかり、一度はソトラマが前の車に衝突しました)
しかしそこは良いのか悪いのか、日本とは大きく違うところで、バイクや車が多少へこもうが傷つこうが、機能すればそんなにことは荒立ちません。いったいどういうことでしょう。

この自動車の傷に関しては、日本人は少し神経質になりすぎているところは否めません。
あくまで車は道具としての乗り物のため、その機能が十分に有すれば、それでいいはずですが、日本人は車にそれ以上のものを求めます。
ステータスなのか、何なのか。

自動車が遠慮しながら走り、歩行者に気を使い、十分な車間距離をとる、日本の常識がまったく通じないのです。
慣れるまでは恐ろしいです。

道を渡るときなど、当然信号なんて殆どありませんから、流れを読んで、思いきって渡らなければなりません。
ちなみにこの流れを読む、ということがまた、慣れるまでは非常に難しいのです。

日本では、大体どの車も前後の車に合わせたスピードで、同じような速度で走ってるかと思います。
ところがマリでは、個々人がそれぞれの速さで、他人などまったく関係なく走っているのです。
基本的に流れ、なんてい言うものはありません。
急加速、急発進、急停車、なんでもアリです。

そんなわけで、JICAの指示により、私たち協力隊員はマリ国内自動車運転禁止、バイク運転及び後部座席禁止、バマコ市内自転車利用禁止、となっております。

これは賢明な判断だと思います。安全第一ですから。
皆さんも、マリにお越しの際はどうか、交通手段に関しては十二分にお気をつけください。